Macで音楽クラブ

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カテゴリ: 会員レビュー

Amazon にて何故か iRig Mic が ¥2,980 で売っていたので購入してみました。
(※ノグチさんからの情報 ~ 今は ¥5,000 ~ ¥6,000 に戻ってしまっています)

で、ただ単にレポートをするだけでは芸が無いので、手持ちの tascam iXZ と比べてみる事にしました。
tascam iXZ は汎用オーディオインタフェースなので、それだけでは声を録音する事はできません。なので、手近にあった SHURE SM58 (ボーカル用マイク~スタジオによく置いてあるヤツです)を tascam iXZ に接続して録音した音との比較を行う事にします。
機器構成は以下のようになります。( iRig Mic のお手軽さが際立ちます!)

【 iRig Mic 】
iPad + iRig Mic セッティング例


【 tascam iXZ + SHURE SM58 】
iPad + tascam iXZ セッティング例

まずは iReal b にあらかじめ入力してあった曲の伴奏データを MultiTrack DAW にコピー&ペーストして、 MultiTrack DAW 上で iRig Mic と tascam iXZ + SHURE SM58 の録音用のトラックを作成しておきます。
そして、両方の機器を使用して、できるだけ同じような感じになるように歌ったものを録音してみました。

【伴奏データ( iReal b で作成)】
iReal b で伴奏データを作成

曲の構成は
「イントロ、Aメロ1、Aメロ2、サビ1、サビ2、間奏、サビ1、サビ2」
なので
「イントロ、Aメロ1( iRig Mic:左 )、Aメロ2( tascam iXZ:右 )、サビ1( iRig Mic:左 )、サビ2( tascam iXZ:右 )、間奏、サビ1&サビ2( iRig Mic:左 & tascam iXZ:右 )」
といった構成でデータを作成してみました。

結果は以下の通りです。

【 We'll be Alright - Demo ( iRig Mic v.s. tascam iXZ + SHURE SM58 ) 】


いきなりですが、ごめんなさい。
これらのボーカルのトラック達には、軽く…ほんの軽くですがリバーブがかかっています。録音した音を比較するのなら、リバーブなどの音を濁らすエフェクトは御法度なのですが……無理でした。リバーブ無しでは音楽的に破綻してしまい、とても聞いてはいられない状態でした。(実際に録音される音は、もうすこし生々しくなると考えてください)
ただ、この状態でも両者の録音状態の違いは聞き分けられると思います。

ここからは、 iRig Mic と tascam iXZ で録音したデータを比較した時の個人的な感想になります。

iRig Mic で録音された音はほぼ編集無しで使えるように感じました。ただし、ちょっと高域が強調されているように感じましたが、どうなんでしょう?( tascam iXZ に比べて繊細な感じ?)
【 iRig Mic の録音結果の周波数分布】
6d6f6c0d.jpg


tascam iXZ は汎用オーディオインタフェースなだけあって、全体的にフラットに録れています。しかし、 200 ~ 500 Hz のあたりのどこかを EQ で削りたいような欲求にかられる音です。
【 tascam iXZ の録音結果の周波数分布】
647aa371.jpg


結論ですが、 iRig Mic で録音した音は、十分に使えると思いました。確かに USB オーディオインタフェースを使用した場合に比べると繊細さには欠けますが、ラフスケッチやメインボーカル以外のパートの録音には十分すぎるほどの性能ですし、何よりも iRig Mic とヘッドフォンがあれば即録音可能という手軽さも良いです。

閑話休題…

iRig Mic を使用すれば、音声入力端子の無い Mac (例: MacBook Air )でヘッドフォン端子から録音する事ができるというのは、大きなポイントだと思います。( Mac で使用する場合は、「システム環境設定…/サウンド」を表示して、いったん「出力」タブを選択して iRig Mic を入出力機器として認識させる必要があります)

【 iRig Mic + MacBook Air 使用例】
iRig Mic + MacBook Air 接続例

■ tascam iXZ レビュー(長峰)

60621c75.jpg


Sutoh さんに続き tascam iXZ を購入したのでレビューします。レビューには 12月3日(土)のイベント( MusiOS in ソフトバンク広尾 1st. GIG )で使用したデータを再利用します。
(※録音における拙い演奏や声については容赦願います)

tascam iXZ は iPhone / iPad 用のオーディオインタフェースで、ヘッドフォンジャックに差し込んで利用します。モノラル入力( Line/キャノン)、ステレオ出力(ミニピン)で、電池(単三電池2本)によるファンタム電源供給によりコンデンサマイクを使用する事も出来ます。詳しくは、メーカーのページを参照してください。

今回、ベースギターと声を録音してみました。(使用アプリ: MultiTrack DAW )
(※比較しやすいよう、録音データは全て SoundTrack Pro でノーマライズしてあります)

ベースギター(ギター:Tune WB-4FM )
tascam_iXZBass.jpg








【音声:norm_Bass_iXZ.mp3

声(マイク:SHURE SM58 )
tascam_iXZMic.jpg








【音声:norm_Scat_iXZ.mp3

両方の録音ともクロストークが発生しています。(出力の音も一緒に録音される)これは iPad との接続がヘッドフォン端子なので仕方ないのですが、本格的な録音にはちょっと、、、という感じです。
ちなみに、 USB オーディオインタフェースで録音したベースギター音源は以下のようになります。

ベースギター(ギター:Tune WB-4FM 、オーディオインタフェース: Zoom H4n )








【音声:norm_Bass_USB.mp3

USB オーディオインタフェースで録音したデータではクロストークが全く発生していません。また、 tascam iXZ を使用した録音に比べて音が太いというか、しっかりと録れているような気がします。これは両者の周波数特性を比較すれば明らかで、演奏の最初の部分の音(E弦開放)の周波数を GarageBand のイコライザー機能を使用して表示すると以下のようになります。

tascam iXZ でベースギターを録音した音の周波数
Bass_EQ_tascam_iXZ.jpg

Zoom H4n ( USB )でベースギターを録音した音の周波数
Bass_EQ_USB_H4n.jpg

ベースギターのE弦開放時に鳴る音は 40 Hz あたりですが、 tascam iXZ ではその辺りの音が全く録音されていません。(逆に Zoom H4n では 40 Hz 以下の音もかなり入っていて「本当にそんな音が鳴ってるのかよ!」と思いますが(笑))

原因が tascam iXZ にあるのか iPad にあるのかは不明ですが(個人的には iPad のような気がしますが、、、)、少なくとも tascam iXZ はベースギターの録音には向いていないような気がしました。(余計な音は EQ で削れば良いのですが、無い音を後で足す事はできないので)

と、いろいろと文句を言ってきましたが、 iPhone / iPad で手軽にそれなりの音で録音できるという点において tascam iXZ は良い選択肢なのではないかと思います。

USB オーディオインタフェースとは異なりほぼ全てのアプリで使用できますし、入力調整用のツマミで入力ゲインを調整できる点も素晴らしいです。また、 iRig にくらべて入力ゲインが高めに設定されているのも、ノイズ対策として良いと思います。(逆に、入力を調整できるから標準のゲインをこれだけ上げられたのでしょう)

それでは、よろしければ tascam iXZ でベースギターと声を録音した曲を聴いてみてください。








【音声:iPhoneMusicGroupDemo.mp3
(※録音&ミックスは MultiTrack DAW で行い、バックの演奏は iSequence HD と iReal b で作成)

iPad / iPhone / iPod Touch 用のマルチトラックレコーダー・アプリの MultiTrack DAW がバージョンアップして、念願の各種エフェクトが搭載されたのでレポートします。

【 MultiTrack DAW 】
iTunesStore の販売ページ
http://itunes.apple.com/jp/app/multitrack-daw/id329322101

開発メーカーのページ
http://www.harmonicdog.com/

今回搭載されたエフェクトは、以下の通りです。

・各トラックのエフェクト
 コンプレッサー
 イコライザー

・マスターのエフェクト
 コンプレッサー
 イコライザー

・各トラックへセンドするエフェクト
 ディレイ
 リバーブ

イコライザーとコンプレッサーで音作りをして、ディレイとリバーブで装飾するイメージで音を作ってみました。
(※これは、あくまで自分の操作例ですので参考程度に考えておいてください)

1) 各トラックヘッダーの右部分をタップして、トラックのメニューを出します。

TrackMenu.jpg
(メニューの「FX」の部分をタップして、エフェクトの画面を表示)

2) イコライザー、コンプレッサーのパラメーター調整を行います。

TrackEQ.jpg
(イコライザー)

TrackComp.jpg
(コンプレッサー)

これを、各トラックのバランスを考えながら、全トラックについて行います。

3) メインOUTをタップして、マスターのメニューを出します。

MasterMenu.jpg
(メニューの「FX Mast.」をタップして、マスターエフェクトの画面を表示)

4) イコライザー、コンプのパラメーター調整を行います。

TotalEQ.jpg
(イコライザー)

TotalComp.jpg
(コンプレッサー)

5) 再度マスターのメニューを表示し「FX Bus」をタップして、センドエフェクトの画面を表示します。

6) ディレイ、リバーブのパラメーター調整を行います。

MasterDelay.jpg
(ディレイ)

MasterReverb.jpg
(リバーブ)

7) 各トラックに戻って、メニューの「FX」をタップして、センドエフェクトを効かせる量を設定します。

TrackSend.jpg
(センドの量)

8) メインメニューから「Help/Sharing/Upgrades」を選択して、ミックスダウンを行います。

Mixdown.jpg

以上の手順で編集を行った結果です。

▼編集前








AUGM_DEMO_normal.mp3

▼編集後








AUGM_DEMO_effect.mp3

音的にとても大きな変化があると思うのですがどうでしょう?(少しでもマシな音になったと感じていただけると嬉しいのですが、、、)
ということで、今回のバージョンアップにより、 MultiTrack DAW でかなり本格的な音作りができるようになったと感じました。


(記事:長峰)

MultiTrack DAW は、 iPad / iPhone / iPod Touch 用のマルチトラックレコーダー・アプリです。

iTunesStoreの販売ページ http://itunes.apple.com/jp/app/multitrack-daw/id329322101?mt=8
開発メーカーのページ http://www.harmonicdog.com/
(バグの問い合わせメールには数時間で返事が来るという、かなりヤル気あふれる開発社です)

MultiTrack DAW の特徴は以下の通りです。

・ベーシック版ではステレオ8トラックまでの音声データを録音可能(録音データは 44.1 kHz / 16 bit )
 (追加機能を購入すれば最大ステレオ24トラックまで)

・長押しで四方八方に表示されるコマンドをズルズルと引きずるようにして選択するという、独特な操作系
 (iPhone / iPod Touch の狭い画面に特化したからでしょうか?)
reportMTDAW99.jpg

・Wi-Fi 経由・iTunes経由・Sound Cloud経由で音声ファイルをやりとり
 (iOS4 では iPod ライブラリからデータを読み込める)

そして、これが肝心な点なのですが、、、
・ iPad Camera Connection Kit + USBオーディオインタフェースによる入出力に正式対応

  <iTunes Store の MultiTrack DAW ページより抜粋>
  FEATURES
  - iPad USB Audio using Camera Connection Kit
  * iPad USB Audio requires the Camera Connection Kit

ヘッドフォン端子からライン入力することもできますが、 USBオーディオインタフェースを使った方が音質は良いように思います。

【iRigで録音したデータ(iPadヘッドフォン端子)】
https://files.me.com/nagamii/bkfeoh.wav

【iPad Camera Connection Kit + JAMLAB(USBオーディオインタフェース)で録音したデータ】
https://files.me.com/nagamii/vdt7rg.wav

今回は、iPad Camera Connection Kit と JAMLAB(USBオーディオインタフェース)を使用して MultiTrack DAW に音声データを録音する手順について解説します。
(基本的に、Mac で外部オーディオインタフェース機器を使って録音する手順と一緒です)

0) 設定アプリを起動して、Buffer Length を適当な値に設定する。( iPad / iPhone 4 なら 128 か 64 )
reportMTDAW00-1.jpg
※設定アプリでは、他にもインプットモニタリングやインプット自動選択機能の ON/OFF などが設定できます。

1) 各機器を正しく接続して、 MultiTrack DAW を起動
reportMTDAW01-1.jpg

2) 録音対象の曲・トラックを選択(もしくは、+マークをタップして曲・トラックを新規に作成する)

3) トラックの録音ボタンを ON にし、楽器をならして入力ゲインを調整
reportMTDAW02.jpg

reportMTDAW03.jpg
※トラック録音ボタンは ON になると赤く光ります。
※トラックや入力ゲインのコントローラー部をタップすると画面中央付近に拡大表示されます。
 オーディオインタフェースの仕様に合わせてモノラル/ステレオを切り替えます。

4) 必要ならば、録音開始・終了ポイントを設定
※ピンチイン・アウトに対応していて細かな調整ができるのは良いのですが、できれば小節や拍単位で設定出来るようになってほしいです。

5) 録音・再生ボタンをタップして録音開始
reportMTDAW05.jpg


ちなみに、録音データは失敗したものも含めて全て編集中の曲の「Bins...」に入ります。
reportMTDAW11.jpg
(赤字はトラック上に配置されていないデータ、、、つまり、失敗データ)

また、iTunes 経由で転送したファイルは共有エリアに入っています。
reportMTDAW12.jpg
このデータはどの曲からも利用出来ます。

iPad + MultiTrack DAW + iPad Camera Connection Kit + JAMLAB という組み合わせで、ボーカルや生楽器をスタジオで録音する時の機材を大分減らせそうです。
最終的には、 in-app とエフェクター類が充実して MultiTrack DAW 上でミックスまで行えるようになれば最高なのですが、、、開発社は iPhone 4 対応などで忙しそうなので気長に待つ事にします。
(ボリュームとパンだけでは厳しいので、せめて EQ と Limitter/Compresser くらいは欲しいぞ!)



(記事:長峰)

このたび新しく購入した「t.c.electronic StudioKonnekt 48」の紹介をさせていただきます。
とは言ってもまだあまりイジっていないので、少しだけですが...

まず、今まで「MOTU828mkII」を使っていました。特に出音的な不満はありませんでしたが、DSPが搭載していたり、デジタルミキサーの機能が充実している「t.c.electronic StudioKonnekt 48」が昨年秋の発売以来気にはなっていました。そんな状況で背中を押したのが、サンレコ4月号の記事です。あれを読んで聴いて、もう物欲全開になりました!
あと現在、TCロゴ入り2Uラックプレゼントキャンペーン中だったので。このラックにPowerCoreと並べれば...みたいな。


で、まずは箱とプレゼントのラックです。
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これはなかなかのラック。もうTC以外は入れられない。PowerCore持ってて良かった(笑)


本体の背面を。
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個人的にMainOutがXLRになったのが嬉しい。828mkIIはフォンでしたので。しかも間隔が狭くて、いいケーブルコネクタが並んで入らないというものでした。


次に最も心引かれた機能の一つであるこのコントローラー。
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比較するものを写していませんが、手のひらに収まるサイズ。中心のダイアルでレベルを上げ下げ出来ます。その他色んな機能が盛りだくさん。何とTalkBackマイクまで内蔵しています。これを手にもって、ヘッドフォンをしている演奏者に連絡出来るという...
あと、このコントローラーのダイアルは見た目ではわかりませんが、トルク感がそこそこあっていい感じです。


でラックに入れた姿を。
85038e18.jpg


なんかコテコテのTC好きみたいな。まあ好きなんでしょうけど。


そしておおっと思ったのが、アプリであるTC NEAR。まずミキサー画面。
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どうです、使いやすそうでしょ。ミキサーを触った事がある人ならすぐわかると思います。
もう完全にデジタルミキサー。


Fabrik C Studioの画面。
be48d0b7.jpg


EQとディエッサー、コンプ/リミッターが一つになっているエフェクターで、基本簡易的なセッティングのみ。しかし、PCのCPUを使用しないエフェクターがオーディオインターフェースに入っているってスゴい!


Fabrik R Studioの画面。
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これはリヴァーブ。このオーディオインターフェースのみで、ヘッドフォンの返しにだけリヴァーブをかけたりする事が可能。AUXで2系統もあるので、ミキサーとして使用する際にも便利でしょう。


最後に肝心な音について。
もちろん主観ですが「828mkII」に比べて、きらびやかで元気のある音がします。スピーカーからの出音はあまり聴けていませんが、ヘッドフォン出力からの出音は完全にStudioKonnekt48の勝利だと思います。
また思っていた通り、コントローラーがとっても便利。手元でレベル調整はもうやめられないでしょう。

最後に心配なのは今後のOSバージョンアップした際のドライバの安定性でしょうか...MOTUは安定してましたから。

しかし、ハードウェアの新規購入ってなんかテンション上がりますね~。

(解説:芝)

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