「Macで音楽クラブ 2018年3月定例会」のレポートです。
開催日時:2018年3月3日(土)14:30~17:30
開催場所:喫茶室ルノアール 新宿小滝橋通り店
■iCON Platform M(須藤)

[iCON Platform M]はフェーダー長が100mmのモーターフェーダーを9本搭載している、USB2.0接続のコントロールサーフェースです。

モーターフェーダー動作音も騒々しくなく、本体の質感も良いそうです。
方向キーと併用する事で、ジョグホイールにレコーダーの操作と画面のズームなどを割り当てる事も出来ます。
フェーダーの位置で物理的に分かるメリットは大きいですね。画面上のマウス操作は一度に一つしか動かせませんが、このような製品を使えば一度に複数を細かく動かせるメリットがあります。
■Logic Pro X 10.4のスマートテンポ機能(芝)

Logic Pro X 10.4で追加された[スマートテンポ機能]について紹介しました。
iPhoneにギター弾き語りで録音した素材を使用します。
スマートテンポには切り替えで3種類があり、Keep、Adapt、Autoモードがあります。

まずはAutoにして、素材をそのままトラックにドラッグ&ドロップして調整せずそのまま貼り付けてみます。

そうすると、スマートテンポ機能により自動的に2小節目の頭に音の出だし部分が来るように置かれます。テンポも曲中で揺れている部分が自動的に解析され、テンポ情報が書き加えられている事が分かります。

これで、MIDI入力やAppleLoopsなど追加して曲として仕上げる次の段階に移る事ができます。ここでは、Drummerでドラムを追加してみます。
頭の一小節でリージョンを区切って短いブロックを作ると、自動的にフィルインが作成されます。それを2拍分に詰めてマトリクスを調整し、曲始まりに合うフィルインを作って見ました。なかなかよく出来ていますね。

よくあるパターンとして、曲終わりの拍頭部分でシンバル+キックを入れる事が多いと思います。その場合は、1拍分だけ長くする事で自動的に追加する事が出来ます。

このように、サクッとデモ曲のアレンジを加えてみる事が簡単に出来ます。解析がうまくいかなかった場合でも、オーディオファイルに自動入力されたテンポ判別を手動で位置修正する事も出来ます。

他に伊藤さんから、Native InstrumentsのKontakt Playerのピッチがずれる件について相談がありました(おそらくMidiキーボードの不具合?)。
■先月生作曲した制作の続き(ノグチ)

先月はAメロ8小節程度が出来ていたものを仕上げて紹介しました。タイトルは「Liquid Spice」。(すみませんが音源の掲載はありません)

今までの曲とはちょっと違っていたのでしょうか、イントロに郷愁を感じるようだ、歌物の出来そうな雰囲気という感想をいただきました。
ガジェット音源には、先月紹介した[KORG Module]からのKApro Orchstral Dreamsというオーケストラ・サウンド・ライブラリーを使用しています。

このKAproというのはサードパーティーの製品で、小林さんによるとKORG KRONOS向けの[拡張音源集]などを多数出しているそうです。独自の拡張サンプリング音源や、元から収録されている音源を組み合わせてセッションに使えるライブラリーにしたものを販売されています。

Moduleの拡張音源集にはエレピもあり、強く弾いた際の歪みも再現されていて高品位だそうです。ベロシティレイヤーで細かく収録されているのでしょう。
先月発売された3種「Classic EP-88M」「Orchstral Dreams」「Dreamy Synths」のModule拡張音源は、KORG Gadget for Macでは収録されていません。ですので、これらの音源を使用してiOSで作ったデータをMacに持って行っても再現する事が出来ません(WAV取り込みを除く)。
今まではIvoryのみが対象外だったのでまだ対処できたのですが、別途購入などの手段も無く諦めるしか無いのが非常に残念です。
曲途中でのトラック音色の切り替えは可能か?という質問をいただきましたが、その場で調べた所出来ないようでした。オーケストラ音源などスタッカートやフレーズで切り替えたい部分もあります。また、トラック数を少なくまとめたい場合など今後必要になってくるかもしれません。

使用したGadget音源から最近追加された「Vancouver(バンクーバー)」を紹介しました。2つのサンプルを読み込み逆回転など調整する事で独特なサウンドを奏でる事が出来ます。
キー入力で「ドレミ」とピッチを合わせて弾く事が出来ますが、音域でのサンプル切り替えは出来ません。サンプル位置から大きく外れると変な音になってしまいますので、その辺りは割り切って使うと良いでしょう。

他にGadget音源「Kief」「Madrid」の紹介や、スケール入力についての質問などがありました。
■Logic Pro X 10.4 メロトロン

Logic Pro XのStudio Strings、Studio Hornsのおさらいをしつつ、Logic Pro X 10.4あたりからメロトロンに専用の調整画面が付くようになりました。
2音色を重ねて同時に鳴るようになっており、ブレンド量を中央のノブで、その下に3つのTape Speed、Tone、Volumeノブが並んでいます。

本物の[メロトロン](Wiki)といえばテープマシンを使用したキーボードで、内部の録音されたテープがキーボードと連動するため、最大で8秒間しか鳴らす事が出来ない構造になっています。さらに、終わりの部分で微妙にピッチが下がり、最後に「カタ」っとテープが止まる音まで入ってしまいます。
Logicのメロトロンはそこまでは再現されていないようで、8秒以上でも普通に持続しピッチとノイズの部分は無いようです。その方が便利なのですが、そこはこだわりのある会員の方々からシミュレーションが足りないと意見が寄せられました。

本物のメロトロンはこのような不便さ、音のチープさ、そして重量が大きくて扱いにくい楽器だったようですが、今ではかえって味わいの深い楽器として知られているのが興味深いですね。8秒の制限から名曲も生まれているそうです。

小林さんによると、KORG ModuleのMellow Tape Keyboardにもこのメロトロンがあり、こちらの音色は固定されていますが、8秒間で終わり最後のピッチ変化も収録されています。ノイズは無いようですが、より本物に近いフレーズが楽しめそうです。
その他に、小林さんからKORG Gadgetでドラムを絶対に入れないで作曲してみたという曲の紹介がありました。

内部パラメータの表示の仕方を紹介いただきました。まだ途中との事でしたので次回詳しくご紹介いただければと思います。

内部パラメータの表示の仕方を紹介いただきました。まだ途中との事でしたので次回詳しくご紹介いただければと思います。
2018年4月の定例会は4月7日(土)15時〜18時です。場所は喫茶室ルノアール 新宿小滝橋通り店 第1会議室で開催予定となっております。
随時見学を承っていますので、お気軽にご参加ください。ご希望の方はご連絡を頂いてからとなっておりますので、お手数ですが以下のメールアドレス宛にお名前と参加予定日をお知らせください。

コメント