「スタジオツアー 2017年9月」のレポートです。

開催日時:2017年9月24日(日)13:00~19:00
開催場所:マイクロサウンド(西国分寺)
参加人数:6名

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Macで音楽クラブ会員である、須藤さんが経営されている音楽制作スタジオ「マイクロサウンド」にて行うイベントを「スタジオツアー」と称しています。



■楽曲ミキシングについて

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今回は、このスタジオで須藤さんが録音、ミックスした楽曲データを使用してチェックしました。(手前の画面はワイドモニターのLG 34UC98

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アコースティック楽器による、すべて生録でのトラック構成です。DAWは[MOTU Digital Performer]です。

予め録音時に適切なマイク位置などを合わせる事によって、後処理のイコライザーをできるだけ使わずに済むようにしています。

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例えばギターの場合、マイクの位置をサウンドホールからずらして必要以上に音を混ぜすぎないようにするなどです。

[iZotope Ozone 7]のDC Offset機能を使います。波形の中心位置がノイズなどの原因によりずれる事があり、再生時に悪い影響がありますので、この機能によりリアルタイムに修正してくれます。

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リバーブは2種類を使用、一つは全体にtc electoronicのClassicVerb(下右から2個目)を、もう一つはReaVerb Pro(Universal Audio UAD-2 Satellite OCTO付属 下右から3個目)を使用、こちらはバス1,2に。それぞれミックスバランスを10パーセントほどで浅く掛けています。

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上段の黒い箱がUniversal Audio UAD-2 Satellite OCTO

バスを分けてベース以外は2つのリバーブが掛かるように調整しています。

ヴァイオリンは倍音が豊かであり、ダイナミクスが大きいため楽曲としてミキシングしたときに雑味が出ないようにディエッサーで歯擦音を抑えるようにしています。他にリミッターも加えています。

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マスタートラックでDP付属の[MasterWorks EQ]でローカットし、不要な鳴りを防いでいます。



■イコライザープラグイン聴き比べ

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前出の曲を使用して、マスタートラックに掛け替えてみます。作業上2つのプラグインをON OFFして比べる方法を採りました。

それぞれの特長が1kHzの部分を3dB上げて、Q幅は1に揃えます。丁度変化する場所がギターのコード弾きの部分にあたりました。

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[WAVES Q10 Equalizer]左はアタック音が甘くなる傾向がありました。
[WAVES Liniear Phese EQ]右は甘くならずにそのまま上がりました。原理的に位相が変わらないのが特長であり、リニアフェイズEQとそうで無い差が分かりやすかったです。

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[iZotope Ozone 7]のイコライザーは位相のずれ幅を画面表示してくれます。

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[Fabfilter Pro Q2] はQ幅は1に揃えると感じが違いすぎるため見た目で調整。広い帯域に掛かる傾向があり、 ヴァイオリンも聴きやすくなりました。

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[Nomad Factory Equalizer model PEQ322]はパルテック系のインターフェイス。アナログ感があります。ギターリストが調整しやすい雰囲気があります。

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数値指定はノブの表示をあてにしないといけないので、数値を合わせる作業としては調整がやりにくいです。

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[Sonnox OXFORD EQ]は業務用コンソールSONY Oxfordが基になっているだけあり定評があります。

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[Blue Cat's Triple EQ]は無料で使えるプラグイン。ピンポイントで動かせるゲインが一つのみと、シンプル。

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[FLUX Epure V3] AセットからBセットヘモーフィングが出来ます。今回オートメーションを試してみましたがうまく動きませんでした。他に二倍ボタンがあるのが特長で、そのためか縦軸のメーターが他の基準の半分になっています。如何にもフランス製らしいです?

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プラグインそれぞれの個性があって興味深い比較となりました。音の違いも気になりますが、操作性もポイントになってきます。

特定の帯域のみの比較や立ち上げ数に制限もありましたが、変化に関してはスタジオモニターで分かるような僅かな差でした。しかし、楽曲では実際にはこれを何十トラックと掛けて行くわけですから、重要な事であります。(ノグチ)



■新曲の紹介

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スタジオには素晴らしいモニタースピーカーがありますので、ここで曲を聴いてみました。

利谷さんは「蛍子」というアーティスト名で活動されており、最近配信開始した新曲を紹介しました。タイトルは「Passage」。私への連絡通路、がテーマだそうです。CubaseのLoop Mashを使用して制作されたとの事。


(聴けない場合はSpotifyにログインして下さい)

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続いて「sasafune」。こちらは6分あります。地元の民族楽器を収録したとの事です。



ついで、ノグチから新曲でアーティスト名「Tolkkis」曲名「Time Axis」を紹介しました。

最近はKORG Gadgetで作る事が多くなっていますが、この曲はLogic Pro Xで作曲しています。フェードアウト一つをとっても自由度はやはり高いですね。



いずれもiTunes Store、Amazon Music、Line Music、AWAなど各社で配信されていますので、ご興味を持ちましたらアーティスト名・曲名で検索を掛けていただければヒットすると思います。

よろしくお願いします。