「Macで音楽クラブ 2018年2月定例会」のレポートです。

開催日時:2018年2月3日(土)15:00~18:00
参加人数:10名

IMG_2210




NAMM Show 2018

20180111_namm_top_13901

[NAMM Show]は世界最大の楽器ショーであり、毎年この時期にサンフランシスコのアナハイムで行われています。

海外で行われていますので、現地まで行って解説してくださるMedia Integrationのサイト「RockON」で紹介されているのを楽しみにしています。

IMG_2214

気になったのは[ArturiaのRACKBRUTE 3U]や[Buchlaのユーロラック規格のモジュラー型シンセ]です。

[ユーロラック規格]が作られたことにより、様々なメーカーが対応した製品を作るようになりました。パッチケーブルもミニプラグになり、コンパクトに作られるようになっています。ローランドも[対応製品]を作っているようです。

IMG_2217

別途紹介いただいた、インダストリアルバンドのThrobbing Gristle(スロッビング・グリッスル)のサウンドをSDカードに収録した[モジュラーシンセ]というのもあるのですね。

コンピューターのメリットである再現性をアナログシンセは不得意としていますが、今の人たちはそれを逆に楽しみに変えているようです。

IMG_2222

次にビブラフォンタイプのMIDIコントローラー「MalletSTATION model EM1」というもので、日本のパール楽器が提携して製作されたものです。黒い部分が剥がせるようになっており、移調することができます。(参考YouTube動画)。

他に、USBライセンキーの老舗「iLok」がCloud対応となるそうです。



◾️KORG Module(ノグチ)

IMG_0780

iOS用高品質音源アプリの「KORG Module」より、SCARBEE、KAPro2種のエクスパンションライブラリー追加がありました。KAProはKronosでもエクスパンションライブラリが発売されています。

3つのライブラリーのデモ演奏は[こちらのページ]より確認できます。SCARBEE Classic EP-88M、KAPro Dreamy Synthsも良いですね。



KAPro Orchstral Dreamsは購入しましたので、その音質を弾きながらチェックしました。ここではKORGのデモ演奏を貼っておきます。

大容量の約1GBあり、内容はストリング系に特化しています。オルガン、ハープ、クワイヤとのレイヤー音色など生演奏でも使えそうなセットもあり、緊迫感を出す際に使うEpic Drumsなどもあります。(なぜか尺八も...)

IMG_0781

かなり表情豊かな音色が含まれるようになり、弾いていても楽しいです。
購入すればKORG Gadget for iOSでも使うことが出来ます。(残念ながら今回のエクスパンションライブラリはKORG Gadget for Macには搭載されていません)



◾️KORG Gadget for iOSで即興作曲(ノグチ)

IMG_2226

先月のリクエストにお応えして、[iPadのKORG Gadget]で即興作曲をしてみました。

今回は真っさらな状態から始めます。
まずリズムを付けていきます。裏拍に当たる部分は選択して小さくすることでリズムのメリハリが出てきます。

IMG_2224

ベースをBerlinで8分音符刻みで入れてみます。リズム隊と合うように、同音刻みで伸ばしてみます。コードも考えつつシンプルにI-IVで。

Mono/Polyの音源、Monpellierでパッドぽくコードを付けようと思います。ざっくりと付けてしまいます。

IMG_2235

せっかくなので前出したKAPro Orchstral Dreamsを使いたいと思います。8分音符刻みで入れてみましたがまだしっくり来ないので、とりあえずMonpellierと同じように全音符で入れておきます。

IMG_2240

ここまできて、なんとなくピアノが合いそうな気がしてきましたので、Salzburgでメロディーを入れてみます。サスティーンがかかる部分は音長を伸ばすことで対処します。多少音がぶつかっても気にしないで進めていきます。

空気感が曲になじまないので、音源の中のリバーブ、トラックIFXのディレイとリバーブを組み合わせて調整していきます。

IMG_2254

Chiangmaiでシーケンスフレーズを入れてみます。とりあえず1小節作り繰り返してみて曲にあうか確かめてみます。(この曲は後日「Liquid Spice」という曲として完成しました)

このような感じで、ざっと12小節程度を作ってみました。あとは自宅で続きを行います。この他に、別でKORG Gadgetで作った新曲「Linear Heart」を紹介しました。



◾️テキスト音楽(桂谷)

IMG_2265

文章で音楽制作ができるiOSアプリ「テキスト音楽」を紹介しました。数字と文字だけで音楽を表現出来るアプリです。

どうやら中国の方が作ったらしく、デモ曲にも表れていますね。

IMG_2261

1234567がドレミファソラシに対応しています。
下に点で一オクターブ下、上なら一オクターブ上となります(笹川さんによると、このような表記の仕方はハーモニカの楽譜にも使われているそうです)。

IMG_2270

赤い括弧内が和音となり、!マークがアルペッジョ(下からずらして弾く)、トリルなどもあり、いかにも中国演奏に向いた感じがあります。音色も指定(ドラム、ボイスなどもあり)出来ます。

楽譜下には構成を表記する部分があり、BABB〜と繰り返しを示しています。連符は最大9連符まで対応しています。

IMG_2269

桂谷さんはテイクファイブを12小節繰り返しの部分まで打ち込んでみました。
4分の5拍子の表記は出来ないそうですが、それを無視して入れてみたら出来たそうです。

IMG_2268



◾️Logic Pro X 10.4(芝)

IMG_2275

つい先日[Logic Pro X 10.4]にアップデートされました。大幅な内容更新となっています(リリースノート)。サウンドライブラリー・マネージャーより40GB以上の追加容量となりますが、その分中身も濃いです。

アレンジしてみよう企画より、笹川さんの曲をこの新しいLogicの機能を使ってバージョンアップしたものを紹介しました。

IMG_2282

追加機能の目玉として、新しいジャズドラムよりブラシ奏法の入ったセットや、Studio Horns、Studio Stringsなどがあります。(Vintage MellotronもGUIが追加さています)

IMG_2288

Studio Horns、Studio Stringsではアーティキュレーションが追加され、奏法の切り替えを一音単位ですることが出来るようになりました。「Expressive Medium」をShortに変えたり、「Sustain」その他様々な表情の変化も可能です。

IMG_2303 (1)

小林さんによるとStudio Hornsでは3Piece、6Pieceとそれぞれの楽器を重ねた音色が用意されており、単音で鳴らすとユニゾンで、和音で鳴らすと自動的に振り分けて演奏されるように考えられています。

Studio HornsのExpressive MediumをShortに変えたり、Sustainなど様々な表情の変化も可能です。(トラック・インスペクタのアーティキュレーションより、楽器に対応したものが用意されています)

IMG_2293

Drummerの中にSiongWritterカテゴリ2人(Austion、Tyrell)が追加され、ジャズドラムの奏法が追加されています。

IMG_2295

ここでは、XYパッドやキッドのON OFFなどの使い方や、Drummerをエンディングで切る際のコツをお伝えしました。

IMG_2301

さらにエフェクターとして、ビンテージイコライザー&コンプレッサーが追加されました。Neve 1073ライクや、Pultec EQP-1Aライクなものがあります。このエフェクターを挿した時のキャラクターの変化が出ているのが良いそうです。

IMG_2311

他にも様々な追加機能があるのですが、残念ながら時間となりましたのでまたの機会に。今回の10.4よりmacOS Sierra以降の動作となっていますが、OSをバージョンアップする手間を考えても価値があるのではと思います。



2018年3月の定例会は3月3日(土)14時半〜17時半です。場所は喫茶室ルノアール 新宿小滝橋通り店 第1会議室で開催予定となっております。

随時見学を承っていますので、お気軽にご参加ください。ご希望の方はご連絡を頂いてからとなっておりますので、お手数ですが以下のメールアドレス宛にお名前と参加予定日をお知らせください。
見学について