2016年12月定例会が行われました。
日時:2016年12月3日(土)15:00~18:00
参加人数:12名

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■新曲の紹介(長峰)

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iPhoneで制作した新曲を紹介しました。タイトルは「Fly on the Wing」。後述のSoundCloudより視聴できます。この曲ではボーカルを3パターン収録しました。

1つ目は直でマイク付きイヤフォンから録音したもの、2つ目は[Lightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ]を使ってマイク付きイヤフォンから録音したもの、3つ目は[IK Multimedia iRig Mic]からの収録です。

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1つ目と2つ目の比較により、[Lightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ]を使うとクロストークが(混線)がかなり少なくなる事が分かりました。

他にノイズの原因としてはケーブル擦れも考えられますが、iPhoneのイヤフォン端子はクロストークの問題が大きく、特に多重録音の際は気になる部分でした。これによりかなり解消されたのは大きいですね。

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Lightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタはiPhone 7用に付属していますが、単独販売もされており1,000円ほどで購入出来ます。iOS10以降の機器ならiPhone 7以外の機種でも使う事が出来ます。

トラックHとLはボーカルの高域部分、低域部分だそうです。録音アプリは[Multitrack DAW]を使用しています。ソロはリアルタイムで[KORG ARP ODYSSEi]を弾いています。





KORG iWAVESTATION(小林)

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1990年代に発売されたシンセサイザー、KORG WAVESTATIONがつい先日「KORG iWAVESTATION」としてiOSアプリになりました。

元のシンセとしてはウェーブシーケンス機能など独特のものでした。小林さんは1Uのラック版を所有していたそうで、詳しく紹介していただきました。

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実機ではオプションの音色カードを別途購入する事で拡張できました。当時一枚2,500円から4,000円くらいしたそうです。

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[KORG iWAVESTATION]の価格は2,400円で(セール中後述)、カード4〜11までは標準で付いており、拡張の7枚が内部課金で600円となっています。実機の1Uが18〜20万したものを考えると非常に悔しい出来に仕上がっています。

編集画面では波形が箱状に並んでおり、それぞれ短い1ショット分の波形があります。タップするとその部分が再生出来ます。

さらに縦に4列並んでいます。一番上はリズミカルなフレーズを担当しており、下の列では持続音がハーモニクス的な変化を担当しています。

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iWAVESTATIONは、曲の後ろで鳴るような持続音(パッド)を作ると飽きない変化を付ける事が可能となっています。店舗などで流れていそうな雰囲気を醸し出していますね。

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実は、もう10年ほど前に発売され、今でも販売されているMac/PC用ソフト[KORG Legacy Collection]にもWAVESTATIONソフトがあります。

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しかし、10年前に開発された当初のインターフェイスがそのままということもあり、実機の分かりにくさは解消されていません。今回のiWAVESTATIONは、自分でもこれを触っていたのかという新たな発見があります。

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他に当時から売りだった、ジョイスティックによる波形の配分変化も実機同様にメモリーできるようです。



KORG ARP ODYSSEi(小林)

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先月紹介した「KORG ARP ODYSSEi」です。実機と音色で違う点は最大8ボイスのレイヤーができる点です。操作画面一番左にあります。

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また、シーケンスフレーズ用の専用画面が用意されています。こちらの画面下にはエフェクターが搭載されています。他にちょっとした事ですが、鍵盤では指先を痛めるようなグリッサンドもiPadなら平面ですので容易に出来ます。

出音は回路から解析しているだけあって素晴らしい出来です。制作時期でフィルターのかかり具合が違う部分も切り替える事ができます(内部課金で見た目とフィルターに合わせた音色を追加可能)。

実機のARP Odysseyは[ウェザー・リポート](Wikipedia)のジョー・サビヌルが使っていたそうです。

いずれもコルグ音楽制作アプリ&ソフトの全製品最大50%オフセールで、2017年1月5日まで開催中です。



■オーケストラ演奏の録音(芝・関)

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(写真左が関さん、右が芝さん)

11月27日に関さんが所属しているオーケストラ楽団のコンサートがあり、関さんの曲などの演奏が行われました。

関さんの作曲された曲名は「あたらしい時代への序曲」と言います。その初演を芝さんが録音のお手伝いをしました。

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関さんは最大4mになるスタンド(後述)にコンデンサーマイクを付けてMacBook AirのCubaseで録音しました。その録音作業やモニタリングを芝さんが行いました。

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また、芝さんは簡易的に私的な録音も同時に行いました。[LINE6 Sonic Port VX]をカメラ用三脚に取り付け(カメラ用のネジ穴あり)MacBook Retina 12インチにLogic Pro Xで録音しました。

[LINE6 Sonic Port VX]はオーディオインターフェイスを兼ね備え、マイクではステレオ/モノラルの切り替えを行う事でボーカル録音や今回のような作業にも対応できるのが便利ですね。

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MacBook Retina 12インチはファンが無いので静かな曲の録音が向いています。MacBook Airはファンがあるので、芝さんマイクではそちらの音が録れてしまったそうです。

関さんのマイクは高い位置に設置した事もあり、椅子の軋みや咳払いなどの音は芝さんマイクよりも全然録音が違ったそうです。

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オーケストラはダイナミックレンジが大きく、ノイズも気になります。
そこで、芝さんは後日調整で録音したLogic Pro X上のエフェクターで72Hzから下をカットしました。高域もカットし締まって聴こえるようになりました。他にステレオイメージを調整して広げています。

また、[Presonus Studio One]での編集や他のエフェクターも試してみたそうで、素の再生音はこちらの方が良いそうです。迷ってしまいますね。



■オーケストラ演奏の録音 続き(関)

会場設置の釣りマイクを使用できなかった事もあり、写真用の三脚を転用しています。わずか1万円で購入されたそうです。もちろん自立できるようになっています。

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(写真左が仁井田さん)

同じように仁井田さんが仕事で関連している三脚「Bi Rod」を紹介しました。

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釣竿を製造しているメーカーならではの発想を生かして三脚を作ったそうで、軽く安定しているのがメリットだそうです。利用法としては、家の屋根の点検にも使われています。

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先ほどの写真に戻り、マイクは[Rode NT5]を二本使用して舞台から5〜6mほどの距離に設置しました。オーディオインターフェイスは[ZOOM TAC-2]を使用しています。

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録音ソフトの[Steinberg Cubase Pro]の画面です。録音されたものを芝さん録音とも比べてみましたが、マイク位置からの違い以上に、おそらくマイクやオーディオインタフェイスの違いにより精細の音質が分かるような変化がありました。

オーケストラ作曲というなかなか無い事例に、質問が多かったのに興味深いですね。

その他に、芝さんから新しいMacBook Proに搭載されたTouch Barを触ってみた感想を紹介していただきました。こちらも面白い機能でした。



■新曲の紹介の前に(ノグチ)

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今年も11月25日にBlack Friday(月曜のCyber Mondayまで合わせて)という年に一度の大安売りセールが行われました。

紹介時点ではほぼ終了してしまいましたが、特に気になったセール品の紹介を行いました。

WAVESから30ドルクーポン付きセール

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DAWプラグインメーカーの[WAVES]は最近毎年Black Fridayで無料のプラグインを提供してくれます。今年は[SuperTap]というディレイプラグインが貰えました。

もちろんセールも行っており、クーポンと合わせてバンドルパック[Musicians 2]や新作のエレピ[Electric 200 Piano]などがわずか9ドルで買えるというビックセールがありました。

その他にiLok3の紹介、iTunesカードのセブンイレブンでの購入で15%ポイント分ゲットがありました。



KORG nanoKEY Studio(ノグチ)

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[KORG nanoKEY Studio]はBluetooth接続のモバイルMIDIキーボードです。
[2016年8月定例会]で紹介していますので、各種ウェブ記事では気づかなかった点について触れてみました。

まず、Bluetooth接続の際は単四電池で駆動しますが、この電池が一度取り付けると指では隙間が無いため取れなくなります。ドライバー(工具)などで引っ掛けるか、取り付ける際に紐などを噛ませておく必要があります。

同じように裏側に謎の蓋がありますが、ここにはBluetoothチップが搭載されているようです。

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エディターのKORG KONTROL Editorによりパラメーターの変更が出来ます。

Global設定により、電池の種類をアルカリか充電池を選択できるようになっています。種類によってボルト数が多少異なる事の対処でしょうか。気になるようでしたら正しい方を選択しておきましょう。

他にイルミネーションの設定を変更してデモモードのON OFFなどや、光の強弱を選択する事により、よりバッテリーの持ちを長くする事が可能です。

他にアルペジエイターの設定の方法や1キーでコードを鳴らす方法を紹介しました。



■新曲の紹介(ノグチ)

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今月は[KORG Gadget]での新曲を紹介しました。タイトルは「Windy Plate」。



SoundCloud上で聴くことが出来ます。

制作はiPad Air 2で行いましたが、iPhone 6でも再生編集することが可能な事を紹介しました。また、今回は内部課金の音源などは使っていないので、Gadgetのみで再生環境が整います。

この曲のGadgetプロジェクトファイルは[こちらより]ダウンロード出来ます。解析の参考などにしていただければ幸いです。

会員内でこの曲のフレーズを使ってリミックスなどの企画が持ち上がっています。

[先月も紹介しました]Korg Gadgetなどで制作した曲集も引き続き販売しています。[iTunes Storeからはこちら]です。



2017年1月の定例会は1月7日(土)15時〜18時です。場所は喫茶室ルノアール 新宿小滝橋通り店 第1会議室で開催予定となっております。

随時見学を承っていますので、お気軽にご参加ください。ご希望の方はご連絡を頂いてからとなっておりますので、お手数ですが以下のメールアドレス宛にお名前と参加予定日をお知らせください。
見学について