続いて、Macで音楽クラブのメンバー達のブースレポートを詳しく書いていきます。

■K2さん

[iPadで哀愁のヨーロッパ]
・紹介されたソフト

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Mugician(無料)

ちょっと変わった音程配列のシンセ・プレーヤーといったところでしょうか。音程配列はギターやベースに沿って配置されているので上下が「弦」、左右が「音の高低」と考えるとすごく弾きやすい。

実際に弾いている様子をみているとグリッドに配置されたとコードが巧みに合っていて、なぞっているだけで曲の基礎コードが出来そうなアプリです。

ビブラートや上下の音程へのポルタメントもかけられるので、意外と「エモーショナル」なプレイができます。音色のエディットとか、いろいろとできるらしいです。


Magic Zither(¥250)

中国の琴(箏?)の演奏アプリ。琴の弦の部分弾いてもいいし、上の鍵盤を弾いてもよい。おもしろいのは「Magic」モードで、墨絵のような一面の背景の適当なところを弾くと音が出る。

右半分は普通の弾き方、左半分はギターで言うチョーキングがかかった音程が出るので、右をメインにしながら適当に左も混ぜて弾くとそれっぽい雰囲気の曲に聴こえる。

ちゃんとした曲の模範演奏も入っていて、その曲の練習もできます。

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ラップムシ(無料)

本来はiPhoneアプリ。iPadでは「2倍モード」でプレイすることになりますが、もとの絵がとてもラフというかヘタウマなので、拡大しても何の違和感もない(笑)。

ラップのモードはタップしてもいいし、自動にしてもおもしろい。秀逸なのは裏のDJモードで、ちゃんとスクラッチもできるし、かなり使えるものになってます。

唯一の残念な点はテンポが変えられないことですが、んなことはもうど~だっていいくらい楽しい無料アプリです。

フリーでありながらもそれぞれの完成度が高いです。個性的なアイデアが沢山詰まったアプリを手軽に操作出来るのは、iPadならではの楽しみの1つだと思います。



■あらせさん

[ズボ楽の曲作り]
 band-in-a-boxでの伴奏作成など、お手軽に作曲する方法をレクチャー

まず、紙とペンを用意。次にギターでコードを弾きながら、紙にメモる。最後に、書いたコードをBand in a boxに登録して、パターンを選んで自動演奏。あとはDAWで編集したり歌や楽器を重ねたり、お好きにどうぞ。

タイトル通り、なんともズボラです!(笑)でも、そんなスタンスから始めた方が案外良い仕上がりになったりするので、皆で集まってセッションしたら楽しそうです。




■関さん

[交響曲の作り方 ~DTMでできること~]

~以下、関さんより解説~
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関 泰久:交響曲第1番 ヘ長調「碧き清流」 1楽章がニコニコ動画にアップされていますので、宜しければご覧下さい。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13340127

楽譜作成ソフトで作曲…使用したのはFinale
→この時点で楽譜として作り込み、奏者に渡すパート譜も作成

▽参考としての、打込音源の制作

楽譜作成ソフトでMIDIを書き出し、DAW(使用したのはCubase)で読み込み、編集。

2003年当時は、外部音源としてDAWが稼働するMacとは別にWindows PCを用意してGigaStudioというサンプラーソフト(2004年にサポート終了)を動かしていました。
説明しなかったのですが、この作業においてもマスタリングを行い、打込音源が完成。

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▽実演の収録

あまり詳しく説明しなかったのですが、奏者を集めることとリハーサルのスケジュールを組むことが一番の苦労でした。このあたりは、長年アマチュアオーケストラで活動してきた経験と人脈を使った、としか言い様がありません。

奏者(指揮者含む)には楽譜(それぞれのパート譜と、必要に応じて総譜)と、上記で作った打込音源を参考として渡しました。

これも詳しく説明しませんでしたが、実際の収録ではコンサートホールを借りました。そして、編集マスタリング作業においてもDAWを使っています。

スクリーンショット(2011-07-07 22.11.15)

全部で50分くらいありますので、お時間あるときに聴いていただければ幸いです。
なお、CDも作っていますが店舗での販売は行っていないので、興味もたれた方は関さん宛に連絡くださいませ。

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人に弾いてもらう為にも、2003年時点よりDAWを使用した曲作り(シミュレーション)を重ねて完成度を効率的に高めることができる。
ジャンルは問わず、様々なシーンでDAW環境の必然性は大きな影響を与えていますね。

ちなみに、、、
作曲にかかった期間は約4年!!楽譜に目を通させていただきました。
昔からある伝統的かつ精密な譜面を個人で書けるということはすごいなぁ、と唸るばかりでした。。。




■タオカ

1回目[5分で出来る、音響プログラム環境Chuck!! ~はじめての言語系音響ソフトプログラミング~]

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Chuckとは、プリンストン大学で開発されたminiAudicleという、MAX/MSP+Jitterの様なメディアアート系に特化したプログラム環境です。

参考動画はこちら

その音源部分を担うのがChuckというソフトエェアで、SuperColloderとは異なり非常に簡単なコードを打ち込むだけで音が出せます。

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他の言語系音響ソフトとの大きな違いは、コンパイル作業が必要ない、リアルタイムで音を変化させられるフレキシビリティに富んだ面がとてもイージーです。かつ独自のコードに対応している事により、多彩な音を出す事ができます。

言語系ソフトの醍醐味は波形レベルの加工・合成の基礎を学べる点で、見た目の良いインターフェイスを採用している近年のソフトシンセの根底を理解するのに役立つかもしれません。


2回目[WiiRemote(Wiiコントローラー)を使ったOSC(Open Sound Control)の使用例 ~WiiRemoteとmac、OSCとは~]

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OSC環境でChuckをwiiremoteでコントロールしてみよう!!

基本的な音の出し方が分かったら、次は音のコントロールをしてみましょう。
wiiremoteは元々赤外線出力で操作するコントローラーなので、macとは標準でbluetooth接続出来る仕様になっています。

それを利用してフィルターやピッチ、リズム(time)等をコントロールしてみます。
そこで重要になるのは"OSC"です。
OSC環境を有効にする為にはwiiremoteとMacを仲介するミドルウェアDarwiinremoteOSCOSCulater等を使用します。

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bluetoothで認識したら、次はChuck内で3軸モーションセンサー、ボタン、加速度センサーを定義して変化させたいパラメーターをアサインして起動するだけでOK.

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ここまでのプロセスに至まではそこそこの苦労はありますが、wiiremoteでクルクル&ブンブン動かして音をコントロールできるのは面白いですよ~。是非、お試し下さい。




■yooさん

[ChordLead ~iPhone片手にコード進行の譜面作成や演奏も確認できるiPhone用アプリ~ を開発者自ら紹介!]

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ChordLead(7/5現在、ver.1.0.2)

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主な機能紹介はこちら
また、詳細の機能紹介を QuickTimeでも見れるようにしました。

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v1.1、v2.0 へのロードマップ
Instrument、音色の追加
MIDIの利用
自動演奏の改善・強化
外部録音とオーディオMix
メロディ・音符機能
歌詞機能強化
mixiアプリなどのSNSアプリで共有
SoundCloud、YouTubeなどとの連動
かっこいい・使いやすいユーザインタフェイス

▽facebook
▽twitter

ブースデモを拝見して思ったのは、iPhone&iPod touchに特化したユーザーインターフェイスが逆に使い勝手を良くし、スマートかつ緻密な設計に基づいたアプリだなと感じました。



以上、ブースレポートでした。
今回は例会ではなく"お祭り"と謳うだけあって、とても沢山のネタが披露されておりました。

(価格は掲載時のもので、変動する事があります)



◆Macで音楽祭り2011紹介記事

イベントレポート(プログラム)1 株式会社コルグ
イベントレポート(プログラム)2 株式会社エムアイセブン ジャパン
イベントレポート(プログラム)3 ベスタクス株式会社
イベントレポート(プログラム)4 株式会社メディア・インテグレーション
イベントレポート(プログラム)5&10 株式会社ハイ・リゾリューション
イベントレポート(プログラム)6 Macで音楽クラブ
イベントレポート(プログラム)7 アールテクニカ株式会社
イベントレポート(プログラム)8 株式会社コルグ
イベントレポート(プログラム)9 ベスタクス株式会社
イベントレポート(展示ブース)1 出展社
イベントレポート(展示ブース)2 Macで音楽クラブ