Macで音楽クラブ

MacやiPhoneなどのApple製品と共に音楽を楽しみませんか? 10年以上の活動実績があり、初心者からプロの方まで積極的に情報交換を行っています。

「Macで音楽クラブ 2024年2月定例会」のレポートです。

開催日時:2024年2月3日(土)15:00~18:00
開催場所:新宿区西新宿7-1-7 新宿ダイカンプラザA館 719号室
参加人数:7名

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■曲の紹介とミキシング相談(あらせ)

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あらせさんの知り合いのおじさんの親友が亡くなり、親友に向けて制作された曲を編曲しました。
その紹介とミキシングの相談に乗りました。

元曲は弾き語り。
作曲はおばさん、作詞はおじさん。それをあらせさんが編曲して曲調はスローテンポのポップスに。前半をおじさん、おばさんが歌い、サビで二人共に歌い途中転調も。

二人のキーがそれぞれ違うのでうまく間を取りました。コーラスとしてあらせさんも参加。

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Logicでアコースティックギターは録音、その他の伴奏フレーズはBand-in-a-Boxで制作。

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あらせさんはステレオの調整が不得手なので、この場で皆んなに聴いてもらい主にコーラス部分の開き具合を調整。画像はAudio MIDI設定から左右のスピーカーから音が鳴るか確認しています。

手持ちのポータブルスピーカーではステレオ感が分かりづらかったので、Mac本体のスピーカーや部屋備え付けのテレビスピーカーでも確認したりしました。

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オーディオインターフェイスはUniversal Audio Apollo Twinを使用。

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手コンプを自動で付け加えるWaves Vocal Riderを挿して歌を聴きやすくしたり、イコライザーやバランス調整を行いました。



■KORG Gadget 3(ノグチ)

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今年初めにKORG Gadgetが3になりメジャーバージョンアップしました。

ここ数年は連携アプリによるガジェット音源などの追加などはありましたが、シーケンサーや操作の基本部分は長らく手付かずになっていました。その点を改良したのが大きなポイントです。

iOS版はアップデート無料で新規ガジェットが有料、Mac版は有料で全部入り(一部除く)となっています。



ここではiPad版を紹介します(iPhone、Macも基本的には同じ)。まず新規で曲を作る際にジャンルセレクト機能が追加されました。

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まず7つのジャンルが並んでおり、選択するとDRUM BASS SYNTH VOX FXの5パートX5フレーズが並んでいます。タップする事で自動演奏されますので、お気に入りのフレーズをそのまま最初のフレーズとして制作できます。

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購入していない音源でもこの表では鳴らす事が出来ます(ロックマークの部分)が、当然取り込み後は鳴りません。フレーズ自体は生きているので、他の所有音源に置き換える事は出来ます。

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エフェクト画面がグラフィカルになり、エフェクト自体も5種追加されています。アルぺジエイターや簡易フレーズ作成もこのタブ一覧に統合され、操作画面が大きくなり纏まりました。

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ガジェット音源を選ぶ際の表示が縦一覧だったのが左右が追加され、カテゴリが分かれたので探しやすくなりました。

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また、同じタブで音色サーチが追加され、こちらは全音色(所有しているもののみ)をタップするだけで確認出来ます。こちらもカテゴリ・ガジェット別に取捨選択がされるので、今まで使っていなかった新たな音色を探すのに便利になりそうです。

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Gadget音源が2つ追加されました。一つはエレクトリックギター音源「Santa Ana」です。フレーズごと収録されたものと単発で収録された音にアンプシミュレータを通して鳴らす事で、リアルなサウンドとなっています。アンプシミュレータはこのガジェット上に搭載されています。手持ちのサンプルを取り込む事も出来ます。

もう一つはループサンプラー「Sydney」。6つ同時に鳴らす事が出来、テンポに追従するサンプラーです。手持ちの音ネタを取り込む事をメインにされている方には便利かと思います。

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トラックごとの色をカスタマイズする事が出来るようになりました。今までは同じガジェットはすべて指定の色になっていましたが、今後はメロディ・コード・・などで色を統一しておくと見た目で区別できるようになりやすいかと思います。

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ガジェット音源をAudioUnits音源として、他の対応アプリでも使えるようになりました(エフェクターは除く)。画像はiPadのGarageBand上で音源として表示しています。Gadgetのシーケンサーでは作りずらい場合は、いっそ他の対応アプリに任せてしまうのも良いですね。


最初に紹介したジャンルセレクト機能からイメージを膨らませてアレンジした曲「Trio Reader」を聴いてもらいました(上記から再生できます)。
シーケンサーの打ち込み部分も細やかな改良はされていますが、ここでは省略します。他にGadget VR、充電容量が数値で見られるUSB-Cケーブルを紹介しました。



Rouge Amoeba LoopBackの検証(小林)

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Mac上の仮想ルーティングソフト「Rouge Amoeba LoopBack」の検証を行いました。LoopBackは音の入出力ルートを自在に変更できるソフトです。

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LoopBackを通した際の音がどうも素の音とは違う気がするので、Logic上にそれぞれ取り込んで比較したものを紹介しました。

サンプルとしてAの音で尖った音色を録音しました。

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接続方法を画像のとおり2通りの録音したものを用意しました。

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この結果波形を見た感じで分かる通り、LoopBack経由の方がLogic直で録音したものより、タイミングがかなり遅れている事が分かりました。また、音自体も鋭さが無くなり、尖った形の鋭さが弱くなっている事が分かりました。

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Logic直で録音した波形

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LoopBack経由で録音した波形

実際聴いた音もこもった感じになりました。また、iPadをMacに繋げてMac上で出音を確認しようとしましたが、鳴らす事が出来ませんでした。機器セット上で再度有効にしましたが、なぜか鳴りませんでした。

LoopBackは試用出来、20分毎に自動的にノイズが入ります。検証したものは購入されたものです。



2024年3月の定例会は3月2日(土)15時〜18時頃、場所は西新宿近辺の貸し会議室を予定しています。

見学希望の方はご連絡を頂いてからとなっておりますので、お手数ですが以下のメールアドレス宛にお名前と参加予定日をお知らせ下さい。

見学について 

「Macで音楽クラブ 2023年12月定例会」のレポートです。

開催日時:2023年12月2日(土)16:00~18:00
参加人数:9名

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■Enya Nova Go SP1アコースティック丨エレキギター(あらせ)

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Enya Nova Go SP1アコースティック丨エレキギター・カーボン一体成型ミニギター Acoustic Plus」を購入しました。色はブルーの塗装が綺麗ですが、実際は水色に近いですね。

本体はカーボン一帯成形により軽いながらも丈夫です。夏場のネックの反りもなさそうです。ゼロフレットがあることや、全部が塗装されているのは少し気にはなるそうです。指板の滑りももう一つだそうです。

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ギターケースも付属しており、ケースのストラップをそのままギターのストラップとして使うことが出来ます。

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ギター側面には光るボタンがあり、スイッチとなっています。エフェクト機能が4種類あり、アコースティック・リバーブ・ディレイ・トレモロフュージョンと切り替えられます。

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謎の「断る」表示...

iPhoneアプリとBluetooth接続することで、チューニングやコードフォーム、ドラム自動演奏やジャンルなどを選べます。

アプリは日本語化されていますが、中国製というのもあり誤訳などが気にはなります。同じく日本語マニュアルもやはり翻訳が雑だそうです。

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プロモーションビデオは欧米の方が収録されており、アウトドアでの演奏をアピールしていました。



■株価アプリで為替表示(ノグチ)

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株に興味のない方には不要なアプリの「株価」についてです。Plugin Boutiqueという海外のDAWプラグイン販売サイトは円表示してくれるのは便利ですが、毎日為替の影響で午後に価格が変わります。

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株価アプリには為替表示ができる事をご存知でしょうか。検索から「USD/JPY」を記入することでドル円、「EUR/JPY」でユーロ円を表示出来ます。株価アプリはウィジェットに対応していますので、こちらで眺めるのが良いですね。



■Ultimate Vocal Remover(ノグチ)

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Ultimate Vocal Remover」は無料でオープンソースのソフトです。

歌物の2ミックスされたファイルからボーカルのみと、オケのみを抽出します。5分程度の曲で3分ほどで変換します(M1 Macの場合)。

このようなソフトは沢山あるのですが、こちらは高精度に分離する事が出来ます。従来からある位相反転でセンターのみを抽出するパターンのソフトでは、この精度は到底無理です。また、同じくコーラス部分(左右に混じるため解析が難しい)も非常によく分離することが出来ました。ちょっと感動モノです。



■PlugInfo(ノグチ)

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Apple Silicon(M1、M2など)の対応アプリ状況は「情報を見る」よりUniversal、AppleシリコンかIntelを見分ける事が出来ます。しかし、Audio Unitsについては上記の方法では調べる手立てが無く、メーカーのホームページ表示だけが頼りでした。

そこで「PlugInfo」というソフトを使うことにより、どちらに対応しているのか一覧で表示出来ます(400円)。

Architecturesの欄に、Apple,Intel 64を表示されていれば両対応になります。Intel 32,Intel 64は動くことは動きますが、かなり古いソフトと思ったほうがよいでしょう。日付表示もありますがインストールした日ではなく、アプリが制作された日を表しています。一部のメーカーはこのリストからWebに飛ぶことも出来て便利です。



■Logic ProでSynthsizer V Studio Pro(ノグチ)

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Logicで「Synthsizer V Studio Pro」を動かす実験をしました。

自分は基本的にインスト曲を中心に制作しているので、歌入りの手持ち曲がありません。そこで、最近まで配信していた「Piece of ballad」のトランペットフレーズがそのまま歌に合いそうなので、これを編曲することにしました。

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Synthsizer V Studio Proは歌声合成ソフトで、バージョンアップを経る事に非常にリアルになってきました。こういうソフトは拡張音声などをイメージしたキャライラストが付いて華やかに宣伝されていて、収益源として大きな部分を占めていると思われます。

Synthsizer V Studio Proはあまり知られてないようですが、実は本体を買うと標準で付いてくるMaiという音声が非常に優秀です。販促のイラストは無く文字のみで地味ですが、声質が聞き取りやすくそこそこ元気の良い声で、ベーシックなところもあり汎用性もあります。

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プラグインを挿して頭からフレーズを打ち込んでいきます。この状態では歌詞はラララになります。そこで、フレーズをまとめて選びスペース区切りで一音ずつ書いていけば簡単に言葉を載せることが出来ます。ブレス部分は「br」で自分で入れたほうが自然です。

声質はジェンダー、トーンシフトなどで調整出来ますが、あまり変えると不自然になります。(これはハモリの方の変化で使いました)

これだけで、自動でフレーズに合わせてリアルタイムに自然な歌声に変換されます。ビブラートの感じや音と音の滑らかな繋がり、裏声の自然さなど、何もしなくても恐ろしいくらいにリアルです。フレーズ部分でのテンションやピッチなどは手作業でも調整出来ます。

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歌声がリアルなので、そのままボーカルプラグインが使えます。この間無料配布していた「Waves Silk Vocal」やLogicのDeEsser2を使い調整してみました。

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ところで歌詞なのですが、Sikakiというのを使いました。簡単に語数に合わせた自然なフレーズをAIが考えてくれます。ただし次のフレーズまで自然に繋がるわけではないので、他候補ボタンで自分で調整する必要はあります。

直接フレーズの保存は出来なさそうなので、スクリーンショットを撮りLogicに貼り付けておきました。(クッキー情報でブラウザ上では覚えているらしい)



■Logic ProのMastering Assistant(ノグチ)

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最終ミックスをボタン一つで作ってしまうプラグインです。Logic Pro 10.8より搭載された新機能です。5分の曲で1〜2分程度待つともう完成しています(M1 Macの場合)。

ラウドネス値や音の広がりは後調整出来ます。イコライザも完成していますが、強調したり3バンドの調整を付加する事も出来ます。

プリセットを聴いた感じで言うと、Transparent(一番無難なヤツ)で若干低音は持ち上がる感じはしますが違和感は少ないですね。Valve、Punchは名の通りな感じです。ここまでの3つはApple Silicon専用でCleanのみはIntel Macでも使用出来ます。Cleanが特段処理が軽い感じはしなかったので、これから機能区別化が進んでいくのでしょうね。



2024年1月の定例会は1月6日(土)15時〜18時頃、場所は西新宿近辺の貸し会議室を予定しています。

見学希望の方はご連絡を頂いてからとなっておりますので、お手数ですが以下のメールアドレス宛にお名前と参加予定日をお知らせ下さい。

見学について 

11月の例会のメモです
参加者:5名

今回はイーサネットケーブルで多チャンネルのオーディオを伝送するDanteの実演をメインに開催しました。

ネタ1)次世代オーディオ伝送システムのDanteの実演(須藤)

Dante(ダンテ)とは、オーストラリアのAudinate社が開発したプロオーディオ向けのデジタルオーディオネットワークシステムです。 1Gbps(1000Mbps)でのデータ送受信に対応したギガビットイーサネット規格と、インターネットの基盤技術であるIPネットワーク規格に準拠しています。(パナソニックのサイトより)

Mac←USB→ヤマハRUio16-D←POEスイッチングハブ(NetGear社) →イーサネットケーブルで音声を伝送

ヤマハRUio16-D


メリット

・多チャンネルのオーディオをイーサネットケーブル1本で伝送可能
 (ただしプロの場合は簡単に切れないような被覆の太いイーサネットケーブルを使用
  折れやすいツメの代わりにXLR(キャノン端子)のような特別なロックシステムを採用)

・当然サラウンド一本で送ることも可能

・Macにインストールした専用アプリ(無料)で伝送チャンネルを自在に選択可能

・利用のためにはAudinate社との利用契約が必要(端末に紐付けられる)

・Macの場合OSにAVB規格(「米国電気電子学会(IEEE)」が定める音声と映像のネットワーク転送を可能にするために誕生した規格です)を組み込まれているため、Danteと同じように音声と画像をイーサネットケーブル一本で伝送することが可能)

映像信号までをセットで送ることができるDante AV規格というものもすでにある

その他チップス混じりの雑談でした。

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